「会社説明会の資料として何か参考になる事例はないか?!」
「会社説明会の資料の作り方って誰から教えてもらえばいいの?!」
多忙な業務に追われる採用担当者にとって、「会社説明会の資料作り」は1、2位を争うほどに重要度の高い業務です。資料の良し悪しによって、求職者から見る自社の印象は大きく変わりますから、その重要性はあえて言うまでもないでしょう。
資料作りは、時間をかけるほどクオリティは高くなりますが、資料作りはあくまでも採用業務の中のほんの一部。そして、そこまで多くの時間を割けるほど、採用担当者は暇ではありません。
そこで今回の記事では、「会社説明会の資料(パワーポント/スライド)の作り方」というテーマで、『超効率的に作るための基礎知識』について解説していきます。
短時間で作るだけでなく、『クオリティを高めるためのテクニック』や『理想的な事例』も含めて紹介しております。
また、会社説明会の資料を短時間で作るための構成項目(57項)が知りたい方は、お役立ち資料ダウンロードページから無料でダウンロードできます。この記事と合わせてご活用ください。
1.会社説明会の資料を作る目的とは
会社説明会の資料を作る目的は、『口頭による説明を補助するため』と定義しております。
補助には主に3つの役割があります。
②説明時間を省略する
③イメージする負荷を軽減する
それぞれ詳しく説明します。
1-1.大事なことを思い出させる
私たちは「大事なこと」を忘れてしまうことがあります。
たとえば上司の説明を3分以上聞いているうちに、
「あれ……結局、何の話だったっけ?」
と話の大事な部分を忘れてしまった経験はありませんか?
私にはあります。
そして、この経験は「聞き手」だけはなく、「話し手」にもあります。
「あれ、いま何の話をしてたっけ?」
と。
誤解のないように言っておきますが、人が忘れてしまうのは、私たちの『頭が悪い』のが原因ではなく、むしろ『頭が良すぎる』のが原因だと言われています。
人は、話を聞きながら、同時並行で複雑な思考をする能力があるので、大事なことを見失うことが起きるのです。
よって、常に大事なことを思い出させる(集中させる)ための補助となる資料が必要になります。
1-2.説明時間を省略する
これは実際に、2つの表現方法を比較するとわかりやすいと思います。
「一人の女性」というイメージを伝えるために、『写真』と『活字』で表現をしてみました。
説明会の場合は、活字を読み上げることになりますが、「写真を見せるか」vs「口頭で説明をするか」では、どちらの方が説明に時間がかかりますか?
圧倒的に「写真」を見せた方が、時間が短縮されますよね。
限られた時間の中で、効率的に伝えるための補助として、資料は有効に使えます。
1-3.脳への負荷を軽減する
基本的に人の脳は、負荷がかかることを嫌がります。
一方で、負荷を軽減してくれることを喜びます。
つまり、補助によって負荷を軽減してあげると、喜ぶのです。
たとえば小説を読んで「楽しめる人」と「苦痛になる人」がいます。
違いは「活字をイメージ(想像)することが得意か、苦手かどうか」です。
何よりの証拠は、「小説」を読むのは苦手でも「漫画」や「アニメ」なら楽しんで見続けられる人がいることです。
「小説」と「漫画・アニメ」の違いは、『イラストの有無=補助の有無』でしかありません。
小説はイメージしながら物語を読んでいく必要がありますが、漫画やアニメはイラストでイメージが補助されている状態で物語を読むことができます。
つまり、脳を疲れさせず、楽にしてあげるのが補助の役割なのです。
2.会社説明会の資料を作るための正しい順番とは
正しい順番にするだけで、資料作成の効率が劇的に変わります。
結論から言うと、会社説明会の「話す内容」を作るのが先で「資料」は最後にするのがオススメです。
「1.会社説明会の資料を作る目的とは」でも説明しましたが、資料は口頭での説明を補助するためだからです。
順番が「資料」を作ってから「話す内容」を決めていく人もいますが、往々にして非効率になりがちです。
なぜなら、話す内容が決まっていないと、作成が必要な資料を見極めることができないので、いくらでも資料が作れてしまうからです。
「あれも大事…これも大事…」
と大量に資料を作りまくった結果、いざ資料をもとに話そうと思うと、
「これだと説明時間が足りない…どこを削ろう…」
となるケースです(筆者も社会人1年目の時は、このような非効率なことを繰り返していました)。
逆に、話す内容を先に決めてしまえば、
「この説明はイラストがあると時間を省略できるな」
「この説明は図がないと理解が難しいな」
と作成することが必要な資料を決めることができるので、作成工数を最小限にすることができます。
「そもそも会社説明会では、どんな構成で、抜け漏れなく話を伝えればよいのだろうか…」
と全体の構成にお悩みの方は、お役立ち資料として『会社説明会の資料の構成項目テンプレート(57項)』を無料で配布しております。
このテンプレートでは、会社説明会でよく伝えられる情報を57の項目としてリストアップしております。まずはこちらのテンプレートをもとに構成を考えてみることをオススメします。
3.会社説明会の資料を伝わりやすくするための2つのテクニック
今回、ご紹介するテクニックは、『シンプルで強力なもの』に限定しました。
実は、他にもいくつか細かなテクニックはあるのですが、たくさんあっても使いづらいし、シンプルで簡単でなければ使いづらいので、厳選しております。
しかし、この2つを実践すれば、資料の伝わりやすさが劇的に改善します。
ぜひテクニックを有効に使ってみてください。
3-1.「絵/写真/図」がメインで、「文字」はシンプルに
会社説明会において、絶対にやってはいけないダメな資料があります。
それは文字が多い資料です。
資料に書かれている文字が多ければ多いほど、聞き手は文字を読むことを意識するため、耳に言葉が入りにくくなるからです。
言葉は口頭で伝えますから、資料に多く書く必要はありません。
大事なことなので何度も繰り返しますが、資料は文字を読ませるためのものではなく、あくまで資料は「補助」です。
②説明時間を省略する
③イメージする負荷を軽減する
の3つの役割を持たない資料は、不要なので削ってください。
文字を使うのであれば、最も伝えたい「メッセージ」だけに絞ってください。
■補足説明:
このメソッドに対して、次のような反論もあります。
「伝えたいことがたくさんあるし、いろんな情報を思い出してほしい」
たしかに人は忘れっぽい生き物です。特に就活生は1日に何社かの会社説明会に参加するケースもあるので、後日、思い出してもらうための工夫は大事です。
思い出してもらうために有効なのは、採用パンフレットなどの「読み物」を用意することです。
読み物が必要だと感じる方は、別記事「採用パンフレット制作|新卒採用に効果的な内容の作り方」をご参考ください。
3-2.「1スライド」につき「1テーマ」に絞る
スライドの情報はシンプルであればあるほど、聞き手の脳への負担を減らすことができます。
サービス精神旺盛な人は、
「情報が多ければ多いほど人が喜ぶ」
と考えてしまいがちですが、残念ながらそれは間違いです。
食事も食べきれないほどの量を出されると苦痛に感じるのと同じように、情報も処理できないほどの量を出されると苦痛なのです。
資料は「1スライドにつき、1テーマ」が適量で、聞き手に喜ばれます。
「わかりやすかった」
と好印象を与えるためにも、ぜひご活用ください。
4.優れた会社説明会の資料の事例
最後になりますが、とっておきの事例を紹介します。
「これを無料の事例として見れるのはラッキーだなあ…」
と感じたものだけに厳選しております。
採用向けの会社説明会の資料は、SlidesShare(プレゼン資料共有サイト)を中心に数多く存在しますが、「これは参考になる」と思えたものは、1社しかありませんでした(正確にカウントしていませんが、30社前後は確認しています)。
貴重な1社のスライドをご参考ください。
4-1.株式会社シノプス|採用向け会社説明会資料
最初に断言しておきますが、この資料の型を真似するだけで、かなりハイレベルな資料になります。
前章で紹介した2つのテクニックも使われており、また、構成に『ストーリー性』があり、聞き手を飽きさせないための工夫が凝らされています。
5.まとめ
いかがでしょうか?
会社説明会の資料を作る上で、重要なポイントに絞って解説しました。
これから資料作成を始める方の参考になりますと幸いです。
「資料作成の前に、まだ全体構成が決まっていない…」
という方は『お役立ち資料:会社説明会の資料の構成項目テンプレート(57項)』が無料でダウンロードできます。テンプレートがあるだけで大幅な時間の節約になりますので、ぜひともご活用ください。
■お役立ち資料:「新卒採用の母集団形成に役立つTODOリスト」
<文・編集:リスナーズ/吉田>