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Twitterで自らのストーリーを語る経営者や採用担当が増えた理由とは

実名でTwitterを始めるビジネスパーソンが急増した理由とは

リスナーズ代表 垣畑 光哉(以下、垣畑):ちょうど1年ほど前から、リスナーズが運営しているLISTEN(人や企業のストーリーを発信するメディア)に西村さんのストーリーを掲載していますけど、西村さんにとって『ストーリー』とは、どのような風にとらえていますか?

HARES代表 西村 創一朗(以下、西村):僕は5年以上前から、「これからはストーリーリクルーティングの時代が来る」と言い続けてきました。かの有名なビリギャルを生み出した「STORYS.JP」というストーリーを投稿できるサービスもありますが、SNSの登場によって、誰もがストーリーを語れる時代になりました。

自分と誰かのストーリーを重ね合わせることによって共感が生まれます。共感によって、人と人、あるいは人と企業が繋がり、そこから新しいモノやコトが誕生する姿を僕はたくさん目にしてきました。

特にここ数年間は、その傾向が強まっています。たとえば、ビジネスパーソンの間ではTwitterが再ブームになり、Noteのユーザーも増えていますよね。自らストーリーを発信することの重要性が、世間にも広く認識されつつあるものと考えています。

垣畑:たしかに。最近、経営者や特に採用担当の方々がTwitterで発信する姿が目立ちますよね。

西村:その一方で、自分には発信力がないと思い込んでいる人や、言語化することに苦手意識を持っている人たちも存在しています。むしろ世の中の大半の人はそうかもしれません。しかし、彼らにもストーリーがあるはずなのに、それが見える化されていないのはもったいない。

そこで、LISTENの存在価値は大きいです。リスナーズが人や企業からストーリーを引き出し、それがちゃんと伝わる形で編集されて、LISTENというメディアを通じて届くべき人に届く。

つまり、『編集』と『メディア』の価値というものは、まだまだ多くの人たちに求められていくものと考えています。

垣畑:ありがとうございます。さきほど「ストーリーリクルーティング」という言葉がありましたけど、西村さんとしては、特にどのような企業に必要だと思われますか?

西村:僕がお会いする企業の社長や採用担当の方で、『自社への肯定感が低いケース』がよく見られます。

大手企業やユニコーンと呼ばれるような一部の企業を除くと、採用担当者の本音として、「ウチは大手よりも給料は低いし、福利厚生も整っていないし、綺麗なオフィスもないし」と、どうしてもないものばかりが目についちゃうんですよね。

でも、それって表面的なことであって、本質的なことじゃないですよね。

どの会社にも様々な理由で、その会社を選んで、働き続けている人がいます。

そこで働く人たちが『なぜここにいるのか』という問いに対するものが、ひとつの”ストーリー”です。個々のストーリーの積み重ねによって企業は構成されています。

つまり、個々のストーリーには、企業の魅力となるヒントが必ずあります。

と、こういう話をすると、採用に関わる方たちはみなさん目の色が変わっていくんですよね。人の数だけストーリーがあるわけですから。

なので、僕は『持たざる企業ほど、ストーリーをフィーチャーすべき』と思っています。

垣畑:そうですよね。私自身、取材を通じて魅力的なストーリーを数多く聴いてきましたが、それがちゃんと伝えられていることって、むしろ少ないのではないでしょうか。

就活生に『ストーリーで企業を選ぶこと』をオススメする理由とは

西村:また、採用する側だけではなく、応募する側の学生にも『ストーリー就活』をオススメしています。

就活が失敗するのは婚活の失敗のパターンと似ています。婚活で例えると、身長が高いとか、顔がイケメンとか、年収が高いとか、人をスペックで選ぶようなケースです。

もちろん好みはあるわけですけど、自分に合うかどうかは別。就活も同じで、『企業と自分のストーリーを重ね合わせて選びましょう』と。

「この企業なら成長できそうか」とか「やりがいを持って働けそうか」を考える、ストーリーで選ぶ就活のほうがミスマッチは減らせます。

よって企業側は自社のストーリーを発信して、ストーリーに共感する学生に入社してもらうことで、ミスマッチが防げると考えています。

垣畑:今、聞いていて思ったのは、「採用担当の方って採用人数の目標があるから、とにかく母集団を集めなければならない」という意識がありますよね。

西村さんが言うのは、薄い関係性を1000人つくるよりも、たった1人でも強く共感してくれる学生さんとの関係性をつくるべき…ということでしょうか?

西村:まさに、そうですね。

ただ、ストーリーを発信するうえで、気をつけなければいけないこともあります。

あらゆる求人媒体でも同じことが言えますが、ストーリーはノンフィクションであるべきで、魅力的な部分だけを誇張するのは逆効果ということです。

例えば、「風通しの良さ」をストーリーで伝えていながら、元社員の匿名投稿記事で「ワンマン社長」と書かれていたら、なかなか恥ずかしいですよね(笑)

このようにストーリーと現実が乖離し過ぎている発信は、絶対に避けるべきです。

垣畑:確かにそうですね。美辞麗句は広告みたいですよね。

西村:そうです。ストーリー型広告では信じてもらえなくなります。

ちなみに、リスナーズがストーリーを作るうえで大切にしていることってどんなことですか?

垣畑:LISTENの取材では成功談だけではなくて、失敗談や過去最大のピンチといったことをありのままに語って貰うようにしています。

読み手にとっては、苦境を乗り越えてきた話は一番の共感ポイントです。かといって、それはコーポレートサイトや会社案内で伝えるものでもなく、第三者による取材コンテンツだからこそ伝えられる部分だと思います。

またある会社では自社のことを「スタートアップにつき、福利厚生もオフィス回りも無いもの尽くしだけど、だからこそあなたの力が必要です」という発信をしたら、やりがいを求める若手が採用できたそうです。

開き直れば良いというものではないにせよ、読み手に共感してもらえるバランス感覚が大事ですね。

リスナーズは第三者の立場で客観的に企業のインサイトを捉えられるので、自ずとバランスの良い表現になるのだと思います。

LISTENと他メディアとの違いとは?

垣畑:多くのメディアの取材を受けてきた西村さんだからこそ聞きたいのですが、リスナーズと他のメディアとの違いは何だと思われますか?

西村:大きく2つあります。

一つ目は、『質問力』です。僕の過去のインタビュー記事をたくさん読みこんで、調べてきてくれたことがわかるような『深い質問』をいただけること。まるで僕に憑依して成り代わったかのように聞いてくれているような印象を受けました。

二つ目は、『編集力』です。僕は「編集は引き算のクリエイティブ」だと思っていますが、まさにそのチカラがすごいなと。僕の伝えたいことや僕のストーリーにそぐわないものはすべてカットし、それでいて僕を伝えるために必要な余白はちゃんと残っている。たとえば、僕の仕事のエピソードだけでは伝わらないことについては、プライベートなエピソードで補完されているという感じです。

垣畑:ありがとうございます。これからリスナーズやLISTENについて期待することはありますか?

西村:リスナーズの活動は『ストーリーへの共感でつながる世界をつくる』という新しい文化をつくっていくことだと思うのですが、そのためには数多くのストーリーが必要になりますよね。

たとえば将来的に『就活生が簡単な診断を受けると、自分に合ったストーリーを発見できる』AIによるマッチング機能なんか、面白いと思うのですが、それには相当な数のストーリーが必要になってきますよね。

その意味でも、大学生がインタビュアーとなって企業ストーリーを書くサービスなど、ストーリーを増やしていく活動に期待しています。

また、リアルな場でストーリーが聴けるミートアップイベントなどがあるといいですね。

垣畑:そのときはぜひ西村さんも登壇してくださいね!本日はありがとうございました。

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会社情報

会社名
株式会社HARES
設立日
2015年6月30日
代表者
西村 創一朗(Soichiro Nishimura)
事業内容
  • 企業向けの副業推奨制度の導入
  • 促進コンサルティング
  • 副業に関する講演、執筆活動
  • HARES.JPでの情報発信
  • 複業家支援のためのオンラインスクール「HARES college」を運営
ホームページ
https://hares.jp/
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