当時の感情が蘇る「原体験」を振り返る
リスナーズ代表 垣畑 光哉(以下、垣畑):芳川さんは経営者の方に「なぜ創業したのか、どんな想い・ポリシーがあるのか」を聞くのが仕事ですよね。今回の取材『「愛の伝道師」として部下やクライアントに無償の愛を届けたい』で、ご自身のストーリーを語ることは新鮮だったとおっしゃっていましたが、どんなところが新鮮でしたか?
リンクアンドモチ―ベーション 芳川 諒子(以下、芳川):「これまでどういうことを考えて仕事をしていたのか」を振り返ることができ、多くの発見がありました。幼少期のことは入社時に振り返っていたのでわかっていたけれど、社会人になってからのことは、なかなか考える機会がありませんでしたね。
垣畑:今日お話ししていて、「立て板に水」の部分と「考えながらお話している」部分があって。考えながらお話している部分により価値があるなって。
芳川:わたしもそう思います。あまり考えたことないことをたくさん考えながら話しました。入社当初の関西支社時代の出来事は今まで聞かれたことがなくて、「なんかしんどかったなあ」くらいだったんです。でも、お話していて「どんな想いで上司にプレゼンした」、「あの時の原体験が今も生きてる」、「やっぱり自分が変わらないと周りも変わらないな」など、当時の感情まで蘇ってきました。今でも感情が揺さぶられたシーンは鮮明に覚えています。
過去の自分を伝えるツール
垣畑:自分のことを伝える機会ってなかなかないじゃないですか。普段、初対面の人に自分のことを伝えるとき、どのようにしていますか?
芳川:私の場合、「なぜリンクアンドモチベーションで働いているのか」、「なぜモチベーションクラウドをやっているのか」というのは3分くらいで話しています。それでも、幼少期を含めた自分のことを伝えるツールはないんですよね。全て話そうとすると1時間ぐらいかかってしまう。その点、LISTEN(リスン)はブックレット(冊子)として残すことができて、「お時間あるときに読んでください」と置いて帰れるところがいいですよね。
垣畑:芳川さんの伝えたいことで人と人が繋がって、ビジネスも繋がっていくんですね。
芳川:おっしゃる通りです。(ブックレットは)名刺と一緒に配ってみたいですね。「ここに私のことが書いてあるので、過去を知りたければぜひ!」みたいな。
垣畑:読んでもらえることで印象も変わりますからね。実は人見知りで…とか。
芳川:過去の話って交流会でもあまり話せないですし、すごくありがたいですね。経営者の方に自分のことを思い出してもらうために、なにかの節目に送ろうかなって。より私のことを知って頂ける。経営者は幼少期のことよりも、本題を話してほしいと思うので、移動中に読んでいただいて、「感想を聞かしてください」といえば絶対に読んでくださる。学生面談をするときもあるので、終わった後でブックレットをお渡しできると、読んでもらえますよね。
垣畑:また会う時の掴みどころにもなるからね。ブックレットだけじゃなく、Webページにもなっているから、採用面接で事前に読んできてもらいやすくなっている。それこそ「顔が見える」というか、コミュニケーションが円滑にできますよね。他には、結婚式の引き出物にした人もいますよ。
芳川:それいいですね。ぜひ。
垣畑:お互い相手の話を聞くことを仕事にしていますが、聞くときのこだわりとして何か気を付けていることはなんですか?
芳川:相手に対するリスペクトですね。掲げている理念、実績を徹底的に調べて、お会いする時に知っている前提をファクトベースで話すこと。ですが、相手のことを深く知ろうとすると、初対面では難しいです。会議室という場所ではなおさら。大体教えて頂けないので、だから私は飲みの場にお誘いします。
垣畑:安心感を与えられるような場や信頼関係を構築してから話してもらうと。
芳川:そのために、お店の価格帯も重視したり、必ず個室を予約したりします。やっぱり漏れ聞こえてほしくない話もあるので。
「物を売るのではなくて自分を売ること」の重要性
垣畑:ご自身が、ストーリーを伝えることで苦労されていることは?
芳川: 3分程度の鉄板トークはみんな持っていますが、それ以外の話をトークとして磨き上げているかというと、そうではないと思っていて。モチベーションクラウドを何故売るのか、3分には収まらないストーリーを語ること自体が売れる理由になると思っています。
垣畑:「ファクトではなくストーリーで売ること」が重要だと言われていますが、芳川さんとしてはなぜ重要だと思いますか?
芳川:モチベーションクラウドの場合、「このプロダクトがいい」という理由で発注頂くことはほとんどなくて、「芳川さんと仕事がしたい」と思っていただいて発注を頂くケースが9割。「物を売るのではなくて自分を売ること」に近いんですよね。自社のHPで自分のストーリーを語ることはあるのですが、自分のことを語れている社員とそうでない社員の差は大きいと感じていて。LISTENはそのツールとして活用できると思っています。
モチベーションクラウドを使う人をモチベーションクラウダーズと呼んでいるんですけど、モチベーションクラウダーズになりたいという経営者の方々がすごく増えてきていて。使うことがブランドになってきているんですね。LISTENも同じで、LISTENに出たいと思う人を増やしていく、そういったブランドを構築していくことがこのビジネスのポイントになってくるのではと思っています。
垣畑:「物を売るのではなく自分を売る」ということはLISTENとしてもすごく勇気づけられる話です。今日はありがとうございました。
会社情報
- 会社名
- 株式会社リンクアンドモチベーション
- 設立日
- 2000年3月27日
- 代表者
- 小笹 芳央(Yoshihisa Ozawa)
- 事業内容
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- モチベーションエンジニアリングによる企業変革コンサルティング
- モチベーションマネジメント事業(育成・風土・制度支援)
- エントリーマネジメント事業(採用支援)
- インキュベーション事業(投資・組織人事支援)
- ホームページ
- https://www.lmi.ne.jp/