フェーズとともに、自社の歴史を理解できるツールが必要になる
当社は2016年に創業10周年を迎えました。社員が増えていくなか、これまでも理念や方針は「クレドブック」にまとめて浸透を図っていたものの、言葉にしにくい「想い」や会社の成り立ちなどの共有がしだいに難しくなってきていました。
打ち合わせの時間を確保することで、強制的に考える時間ができる
ビジョンブックの制作がスタートすると、当社からは私、リスナーズ社からはプロデューサーである垣畑社長とライターの藤巻さんが出席して、月に数回のミーティングを行いました。
1回のミーティングで2時間ほどしっかり時間を取ったのですが、これが非常に良かったですね。時間を確保することによって、ふだんは断片的に浮かんでは消えていくアイデアとじっくり向き合うことができ、社員に何を伝えたいのかということが次第にはっきりしてきました。
自社のビジョンや10箇条について、親身にかつ真剣に考えてくれるのが第三者であるということも、皆に想いが伝わるブック作りのための重要な要素だったと思っています。
思いがけず良かったことは、引き出されるままに話をするうちにどんどん思考がふくらみ、伝えたい内容が増えていったこと。当初は章立てに沿って話を進める予定でしたが、とても収まりきらず、自由に喋るスタイルに切り替えました。これからビジョンブックを作る方には、章立ては頭の中を整理する目的に留め、まずは想いをすべて吐き出してしまうことをお薦めします。
思いつくままに話したことが文章化されるので、考えをまとめやすい
創業の経緯から当時の苦労など、今に至るまでの歴史を最初の2、3回で話し切ると、仮の原稿が上がってきました。思いつくままに話した内容を「私らしい」文章にまとめてくれるので、自分で書いた文面の出来に捉われず、何を伝えたいのかという一点に集中できたのが良かったと思います。自分が発した言葉が、よりわかりやすい文章になって表現されているのを見て、ライターさんへの信頼がグッと増したのを覚えています。
本の中に「未来」をどう織り込むかについて話し合ったときに、「未来日記」のアイデアを思いつきました。特にこのアイデアを早々に形にしてくれたことは、ビジョンブック全体のイメージを明確化するのに非常に役立ちました。小説風に理想の未来を描いた「未来日記」を冒頭に持ってきて、読み手の興味を引こうという編集方針もそこで確立され、全体が一気に動き出すきっかけになりましたね。
「想い」を伝えるビジョンブック
弊社の場合は10周年を機に長期ビジョンを変更しました。新しいビジョンを伝えるうえで、皆が過去・現在・未来を知り、価値観を共有する必要があったため、ビジョンブックを発行する運びとなりました。
普段から口にしていることでも、文章に残すことにより、社員に想いを伝えやすくなります。
ビジョンブックは、伝承していきたい「想い」や「価値観」がある経営者や経営層に、おすすめです。
今後は、新たに入ってくるメンバーにとっても、過去から10周年時点の弊社を知る1冊として活躍してくれることでしょう。
インタビュートップ
会社情報
- 会社名
- 株式会社マーケットエンタープライズ
- 設立日
- 2006年7月7日
- 代表者
- 小林 泰士(Yasushi Kobayashi)
- 事業内容
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- ネット型リユース事業
- メディア事業
- モバイル通信事業